mstk's diary

新聞コラム

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春秋 梅の花の季節

「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」。奈良の長谷寺を久しぶりに訪れた紀貫之が、再開の相手に送った歌である。梅の花がほころび、春の陽気が漂い始めた。うれしさもあり、寂しさもある。出会いと別れの季節が、まためぐってきた。 …

余録 今も昔も変わらないイタリア総選挙

ベズビオ山の噴火で埋まったイタリアの古代都市ポンペイには家々の壁に選挙広告が残っている。種々の団体による候補者推薦文はいぜん小欄で触れたが、なかには「〇〇を選出するように。彼はおいしいパンを与えてくれる」というのもある。 ▲他にも「✕✕はよき…

天声人語 日韓新政権の未来

ひとつの花を眺める心も、国によって違う。朝に開いて夕方しおれる槿(むくげ)は、日本では儚さの象徴とされる。だが、お隣の韓国の人々は、苦難をしのいで発展していく民族や国の姿をこの花に託した。知られるように国花である。 ▼一輪一輪は短命でも、一…