mstk's diary

新聞コラム

春秋 アピールの仕方を考える

 中国の新しいリーダーとして習近平さんが共産党のトップに立ったのは半月ほど前のことだ。直後から、というよりその前から、10年後に習さんの後を継ぐ候補の名前が取りざたされている。代表格は、中央の指導部の一角に49歳の若さで食い込んだ湖春華さんだろう。

 ▼最高学府の北京大学を20歳で卒業した後、辺境であるチベットで仕事をしたいと志願したとされる。能力が高いうえ筋金も入った共産党員といったところだろうか。そんな胡さんが、中央政界入りと同時に新たな話題を提供した。白髪交じりのまま公の姿に見せたのである。「ナチュラルだ」と好評を博しているとか。

 ▼中国の指導者といえば、少なくとも現役の間は黒々した髪の毛が定番になってきた。民主的な選挙があるわけもなく、有権者へのアピールが必要とは思えない。それでも見栄えを気にするのは、権力闘争に役立つだろうか。そういえば別の国の独裁者は、背が高く見えるシークレットブーツを愛用していたとも聞く。

 ▼衆院選が迫った我が国では、次の選良の座を目指す人達が有権者へのアピールに必死だ。髪型を変えたり、突如として赤っぽいネクタイにしたりして、以前と違う印象を与える候補者も少なくない。それはそれで大事だろうが、やはり政策と人間力で魅了して欲しいと思う。手ごわい独裁体制と向き合っていくためにも。